警察に通報とか色々言ってましたが、東京の方ですか?

タイトルに深い意味はありません、コロコロ変わるはずでしたが、もはやずっとこのまんまかも。

ブロガーの記事を添削したら、添削どころか記事書かなくて済みました

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 某氏から「ブロガー絶対殺すマン」の異名を頂戴した大塚です。ま、別に私が殺さずとも、勝手に死んでくれると思うので、実際に手を下すことはありませんけどね。ブロガーのみなさん、これからもどうか仲良くしてください。

 さて、たまには文章なるものをしたためてみんと、久しぶりに自分のブログというパンドラの箱を開けてみることにしました。ログインの際にIDとパスワードを思い出すのに苦労したことが、月日の流れを感じさせます。

 今回の記事は「ブロガーの記事をブロガー絶対殺すマンが添削する」の巻。添削する素材はもちろん、一級ブロガーのソ与氏による最新記事「ハナオートで鼻うがいしたら、鼻づまり解消どころか耳鼻科行かなくて済みました」を用います。はま寿司さんじゃないですけど、私もネタの質と鮮度にはこだわりがありますからね。さあ、それでは張り切って参りましょう!(例によって、ウルトラ長文になる予感が既にプンプンですから、逃げるなら今のうちですよ)

 

【例文・1】
毎年の春、花粉症で頭を悩み、ティッシュを1日1箱使うことがザラだった◯◯です!ぼくが花粉症になったのは5歳のときで、去年の春まで正直死ぬほど辛い思いをしてきました。

「花粉症で頭を悩み」は論外ですが、冒頭の名乗りかたがダラダラ長いのが好ましくないですね。文章の達人ならともかく、我々のような素人はワンセンテンスを極力短めにして、短文のリズムで読み心地を上げるべきです。ティッシュ1日1箱のくだりは、掴みとしてはまずまず成立しているように思います(何のためにティッシュを使ったのかが気になるところですが…)。ということで、私ならこの冒頭は次のように添削します。

【添削・1】
春になると花粉症に悩まされる大塚です! 毎年、この季節はティッシュを1日で1箱使い切るのも珍しくありません(鼻をかむだけで、ですよっ)。5歳の頃から去年まで、春は死ぬほど辛い季節でした……。

 もとの文章より文字数は増えましたが、読みやすさが増したと思うので、あっさり読めるのではないでしょうか(と、自画自賛)。

 

【例文・2】
ところが、2018年の春の花粉症のシーズンは例年よりも花粉量が多いにも関わらず、耳鼻科に行かずに済みました。ぼくの花粉症対策として鼻うがいを知り、鼻うがいをサポートしてくれる道具ハナオート(4,980円)のおかげで春の花粉症を無事乗り越えることができました。そんな鼻うがいをサポートしてくれる道具ハナオートについて紹介したいと思います。

ここまで、さんざんティッシュの消費量で花粉症の辛さを語っていたのに(原文ご参照ください)、本題に入るや否や「耳鼻科」というワードが前面に出てきました。読者としては唐突感がありますよね。前段を受けるのなら「耳鼻科に行かなくてすんだ」という事実よりも「ティッシュの消費量が圧倒的に減った」という事実のほうが、本稿では説得力に勝ると思います。あと、主役であるハナオートの登場のさせ方が中途半端でもったいない気がします。主役はもっとカッコ良く登場させないとダメでしょう。

【添削・2】
ところが、2018年の春は例年よりも花粉の飛散量が多かったにもかかわらず、ティッシュの消費は大幅に減りました。鼻うがいという対策法を知り、専用の器具を手に入れたおかげで、花粉症シーズンを無事乗り越えることができたのです。本稿では、そんな鼻うがいをサポートしてくれる画期的な器具「ハナオート」について紹介したいと思います。

油断をすると、原文のようにワンパラグラフが「花粉」と「鼻うがい」「ハナオート」だけで埋め尽くされて鬱陶しくなります。キーワードの安売りにもなりますので、ワンパラグラフ内では、同じ単語はなるべく繰り返さないことを意識するのがオススメです(まあ、ここは好みの問題もあるかも知れません)。

 

【例文・3】
ハナオートを組み立てると上の画像のようになります。

横から撮ってみると、、、

単4電池の詰め替え式で、コードレスになっています。

ただ、防水仕様ではないところがちょっと残念です・・・

本体を買ったときに付属品として、鼻うがいに使う食塩がついてきます。

この食塩はミントの香りがします。

しかもハナオート用の食塩まで売ってます。

(画像は省略しています)ここからいよいよハナオートの紹介に入るのですが、正直言ってお勧めしているようには思えません。ろくに魅力も語ってもいないうちから「防水仕様ではないところがちょっと残念」と欠点に言及するのは、それが事実だとしてもここですべきではないでしょう(このあたり筆者の押しの弱い性格が見え隠れしているような)。

【添削・3】
ハナオートを組み立てると上の画像のようになります。

横から撮ってみるとこんな感じで……。

本体は単4電池の詰め替え式で、コードレスだから結構コンパクト。ミニマリストとしては嬉しいトコですね。

付属品として鼻うがい用の食塩がついているのですが、この食塩はなんと爽やかなミントの香りがします! ちなみに付属品の食塩は、無くなってもネット通販で簡単に購入できます。

商品のレビューならともかく、お勧め記事を書くのであれば、記事は商品の魅力を主軸に置のが当然。防水仕様でない点に言及したいのであれば、これ以上ないぐらい褒め倒した後にするべきですし、防水仕様ならどんなメリットがあるのかまで踏み込んでいかないと……。ちなみに念のためですが、実際の私はミニマリストでもなんでもありません。

 

【例文・3】
鼻うがいをすると結構水が飛ぶので、桶を準備すると口や鼻から出る水が飛び散るのを防いでくれます。点鼻薬で力ずくで鼻に水を流すのは怖いからという言い訳を作ってしまうと思ったので、ぼくは自動で勝手に水を流してくれるハナオートのほうが良いという理由でハナオートを購入しました。

短いながらもハイコンテクスト文学の真骨頂のような難易度の高いパラグラフです。これを添削するのは私も結構キツイものがありました。相変わらず、ハナオートを勧めているのか勧めていないのか、よくわからない論調ですね。

【添削・3】
鼻うがいをすると口や鼻から結構な量の水が飛び出ます。事前に洗面器など水を受ける物を用意しておきましょう。ちなみに、鼻うがいをするだけなら、点鼻薬で鼻に水を流す方法もあります。でも、自分の手で鼻に水を流すのって、慣れないと辛そうじゃないですか? それを口実にサボってしまうと思ったので、ぼくは機械が自動で水を流してくれるハナオートを購入しました。

そもそも論として、今どき普通の家庭に「桶」なんてあるのかな? と思ったので添削の際に「洗面器」に置き換えてみました。まあ、桶でも間違いではないのでしょうが、読者がすんなりとイメージできる文章を心がけるのが書き手としての正しい姿勢ですよね。あと、語彙力って本当に大事だな、と。

 

【例文・4】
実際にハナオートで毎日鼻うがいをしたら、3週間くらいで鼻詰まりが落ち着きました。ティッシュを使う量が1日1箱から1日数回しか使ってません。人生で初めて春が楽しいって思えました!! これホントです・・・節約できただけじゃなくて、鼻かむ回数が減ったっていうのはやっぱり嬉しい。言葉でうまく表現できないくらい嬉しい。鼻かんだ後のティッシュなんて汚いじゃないですか。そのティッシュが減るのはゴミが減るってことでもあるし、良いことしかないですよね。そんなぼくの花粉症生活を断捨離できたのは、ハナオートのおかげです。アーメン!!

症状の改善までに3週間という記述は、商品への訴求力を高めるには少し心許ないですね。だからといって期間を偽るわけにはいかないので、改善の度合いを大げさにアピールすることで説得力を補強したいところ。「花粉症生活を断捨離」という謎の表現ですが、ミニマリストとしては「断捨離」の語をどうしても使いたかったのでしょうが少し強引です。また「言葉でうまく表現できないくらい」というフレーズは、一定レベルの文章が書ける人が言うから効果的であって、ここではむしろ逆効果でしかありません。トドメは「(筆者が)鼻かんだ後のティッシュ」とか、もう想像もしたくないっ! 読者にハナオートを買わせたいのなら、いくら事実であっても汚い表現はなるべく避けるべきです。だって人間、いい気分になれないと、財布の紐は緩みませんから。

【添削・4】
ハナオートで鼻うがいを続けていると、3週間ぐらいで鼻の詰まりが劇的に改善しました。ティッシュを使う量も1日1箱から1日数枚レベルまで大幅に減りました。人生で初めて春が楽しいって思えたほど!(いや、これホントですから)嗚呼、鼻をかむ回数が減った喜びを言葉でうまく表現できない自分が憎い……。ミニマリスト的視点でみれば、ティッシュの山のようなストックを「断捨離」できた喜び、とでも言いましょうかありがとうハナオート、君だけはいつまでもそばに置いてあげるからね!

 元記事が投稿されたブログには「ミニマリストによるブログ」という切り口があります。元記事は「花粉症対策」というテーマではありますが、どんなテーマであったとしても、「ミニマリストの筆者」による記事だという点をプッシュすべきでしょう(そういう意味では「断捨離」という単語を使おうとした意識は正解)。個々の記事で勝負しようとしても所詮は素人の腕自慢大会、つまりは「どんぐりの背比べ」になってしまいがちです。他のブロガーと記事の質だけで差別化を図るのは難しいもの。筆者のキャラ付けを上手に設定することが、固定の読者を獲得するためには有効ではないでしょうか。

 

 で、最終的な結論ですが、これはもう「ブロガーはもう少し推敲をしなさいっ!」ということに尽きます。この程度のボリュームの記事なのに、添削しどころがありすぎて心身ともに疲弊してしまったではないですか、せっかくの週末だってのに……。こんな馬鹿げたことを続けていけば、きっと私がブロガーを殺す前に、私がブロガーに殺される日のほうが先に来てしまうでしょうね。アーメン!

 

※この原稿も公開前はもちろん、公開後も既に10度にわたる推敲をしております。