今宵は久しぶりにブログなど書いてみんとす。大塚でございます!
最近はウォッチ対象であった界隈民どもが、フェイドアウト気味になったり、私のことをブロックしたりということもあって、活動が停滞気味になっておりました本ブログ。久しぶりの更新は、やはりあの方のご登場と相成りました。ご存じ、イケハヤ書生のキック氏でございます(拍手ゥ〜〜!!!)。
今ではフォロワー数も1万3000人を超え、あのサンクチュアリ出版でトークイベントまで行った、界隈でも注目度の高いインフルエンサーのキック氏。しかし、このところ私のフォロワーさんから、「キック氏のツイートが何を言ってるのかわからない」という問い合わせが続出しておりましてね。ま、キック氏とは縁もゆかりもない私に問い合わせをされても困るんですけど、せっかくの機会なのでみなさんと一緒に解読していくことにいたしましょう。ということでェ〜、レッツ・ビギン♪(←これ出ると長文の合図ね)
人間力や学力以外での"賢さ"的な要素を決めることってのは『客観視できているかどうか』だと思ってる。自分のことを客観視できている人は自分の行動や言動を省みているので反省したりして進化し続けることができるんだけど、主観だけで生きてる人は天才でもない限りかなり「イタイやつ」になる。
— キック@パパフリーランス (@kikumer) 2019年2月16日
まずはこれから解読していきましょう。パッと流し読みすると、おそらくは「賢い人ってどんな人か?」ということを言っているのかなぁ、と。
わかりづらさの原因は、個々の単語の意味を深く考えることなく、感覚で使ってしまったところにあるのではないでしょうか。そもそも「人間力」なんて語の定義は人によってさまざまだし、「"賢さ"的な要素」に至っては日本語の体をなしていませんけどね。
「行動と言動」や「省みると反省」というように、似たような意味の語も意図的に使い分けている様子もなく単純に繰り返しているだけで、ちょっとカッコ悪いですよね〜。
界隈の人たちって、どうしてこうも自分の語彙力を過信するのでしょう? わかってるつもりの言葉ほど、辞書で意味を確認する作業は重要だと思いますけどね、私は。
ということで、上のツイートの言葉を整頓すると次のようになります。
「賢い人」って、学力が高い人なんかじゃなくて、『自分を客観視できる人』だと思う。今は完璧な人間でなくても、自分の言動を客観視できれば、反省することで成長につなげることができる。逆に主観だけで生きてる人は、完全無欠の天才でもない限り「イタいやつ」になる。
「"賢さ"的な要素」というのは、シンプルに「賢い人」に置き換え、文頭に持ってくることで、ツイートの主題をより明確にさせてみました。人間力に関しては、受け取り手により解釈の幅が広すぎなのでここは思い切って削除。「学力」一本に絞ることで、よりわかりやすい文になったのではないかと思います。
後は「行動と言動」、「省みると反省」の重複した語を一つにまとめ、ツイート全体をコンパクトに。最後の「進化」については、ここでは意味的に少し大げさ過ぎる語なので、「成長」というより身近な意味の語に置き換えてみました。
天才の前にあえて「完全無欠の」と入れたのは、冒頭で「『賢い人』って、学力が高い人なんかじゃなくて」と、学力の高さ(=天才)を否定しているからです。原文ママの「主観だけで生きてる人は天才でもない限りかなり『イタイやつ』になる」だと、読む側の中には「なんだ、やっぱり学力が高い人が賢いんじゃないか!」と言いたくなる人がいそうですよね(私みたいな人、です)。
ですから、「単に学力の高い人ではなく、反省の必要も、成長の余地もない天才のみが、主観的に生きることを許される」というニュアンスの文章にすることで、「だから、やっぱり自分を客観視することは大事」と、結果的に論旨を強調するのが狙いです。
※もちろん「天才」という語には、「あらゆる能力が高い完全無欠な人物」というニュアンスもあるのは承知しています。しかし、より誤解を生まない理解しやすい文章に仕上げるためのひと工夫みたいなもの、と思っていただければ。
ということで、まず一つ片付きました。では、お次はこのツイート。
物欲がない人が成功しやすいって言われるのは、シンプルに稼いだお金を消費するか投資するかってだけだと思う。んで、もっというと稼ぐ過程でそこにストレスが生じるとその解消のためにお金の使い道が消費に流れやすくなって負のスパイラルになる。だから楽しいこと仕事にしようねって言われてるのね。
— キック@パパフリーランス (@kikumer) 2019年2月17日
先ほど同様に、まずは「何を言いたいのか」から汲み取っていくことにしましょう。そうすると、このツイートには先ほどのツイートには無かった欠陥があることに気づくはずです。
それは何かと言うと、このツイートには言いたいことが2つあるのです。一つは「物欲がない人が成功しやすいのは消費ではなく投資をするから」そして、もう一つが「ストレスは消費(浪費)を増やすので、楽しいことを仕事にすべきだ」というもの。
いずれも「消費と投資の違い」というくくりで語ってはいますが、これら2つの主題に因果関係はあまりありません。ですから、その2つの要素の「つなぎ」が重要になってくると思います。原文はそこを疎かにしているので、難解な文章になっているのだと見ました。
その欠陥を踏まえた上で、書き直したのが次の文章になります。
物欲がない人は成功しやすいと言われるのは、お金を単なる消費ではなく自己への投資に回しやすいからだと思う。そう考えると、物欲がある人でもストレスを減らし、ストレス解消のための消費が減らせれば、その分を自己投資に回す余裕ができる。だから「楽しいことを仕事にしよう」って言われてるのね。
ポイントは、後半を「物欲がある人」の話にしたこと。そうすることで、「楽しいことを仕事にしよう」という2つ目の主題にスムーズにつながったと思います。物欲がない人は、そもそも仕事上のストレスがあったとしても自己投資にお金を回しやすいタイプなので、「楽しいことを仕事にする」必然性がさほどありません。
また、原文ではストレスをすべて「仕事上のストレス」と定義づけていますが、そうすることで文章が冗長になっている印象を受けました。そこで、ストレスはストレスのままにしておき、削減すべき(しやすい?)ストレスを「仕事上のストレス」と定義することで、よりシンプルな文章に仕上げてみました(まあ、それでも読みづらいのは認めましょう……。んー、これはもう140字の限界なのかなぁ〜)。
最後は(まだあんのかよ!)このツイートです。なんか、どんどん難易度が上がっているのは気のせいでしょうか……?
お金が欲しい!という欲求は誰しも持っている自然な感情なのに、それを放棄する風な人が多いのは、単に無欲というわけではなく、お金を得ることが容易ではないということを正当化するために「お金は汚い。持ちすぎは良くない」という自分が都合のいいように解釈する脳の自己催眠にすぎない。
— キック@パパフリーランス (@kikumer) 2019年2月18日
また、お金の話ですか……。でもまあ、この人って貯金ブロガーという一面も持ってますから、お金の話題が多くなるのは仕方ないですね。で、このツイートでは何が言いたいのかというと……。
うーん、ちょっとわからない
…っていうか、このツイートってよく見るとワンセンテンスなんですね? 悪文の典型みたいなツイートですが、まずは文章全体を分解して、構造やパーツを確認してみるましょう。
- お金が欲しい!という欲求は誰しも持っている自然な感情
- それを放棄する風な人が多いのは、単に無欲というわけではなく
- お金を得ることが容易ではないということを正当化するために
- 「お金は汚い。持ちすぎは良くない」
- 自分が都合のいいように解釈する脳の自己催眠にすぎない。
まず、冒頭の一文は考え方はさておき、文章としては理解は可能です。つまりは「金銭欲とは、誰もが持っている自然な感情である」ということですよね。次も「それ(金銭欲)を放棄する風な人」の解釈に少し骨が折れるものの、「金銭欲がないと語る人は多いが、(彼らは)単に無欲というわけではなく」でいいでしょう。前半部分だけで見れば
「金銭欲とは、誰もが持っている自然な感情である。だが、それが無いと言うひとが意外に多い。しかし、彼らは単に無欲というわけではない」
という読み解けますね。
問題は後半のほうです。「お金を得ることが容易ではないということを正当化する」とはどういうことなのか? もっとわかりやすく書き直せば「お金を稼ぐのは難しいということを正当化する」とでもいえばよいでしょうか。
「正当化」という語もそうですが、次の文にある「自分に都合のいいように」という語から、「お金を稼ぐのは難しい」というのは一般論というわけでもなく「それ(金銭欲)を放棄する風な人」に限った話であることが見えてきます。
要するに、キック氏は「お金を得ることが容易ではないということを正当化する」という一文で「無欲を装うのは、稼げない自分を正当化する方便だ(ドーン!)」と、無気力なニートを喝破しているわけです。さすがです、ガーサスです!
そして、その論拠となるのが四番目の鍵括弧にある彼らの決まり文句、なのでしょう。でも、「お金は汚い。持ちすぎは良くない」なんて言う人ってホントにいるんでしょうか? ま、ここはなんとなく「儲けに走るのは見苦しい」ぐらいのニュアンスかな〜って、サラッと流しておきます。
で、これらの解釈をつなげてみると、次のようになりました。
金銭欲とは、誰もが持っている自然な感情だが、それが無いと言う人が意外に多い。しかし、彼らは無欲というわけではない。その証拠に口を揃えて『儲けに走るのは見苦しい』と稼いでいる人を批判する。稼げない自分を正当化させるための身勝手な自己催眠で、無欲なフリをしているだけだ。
ポイントは原文の「お金は汚い。持ちすぎは良くない」は、誰に言っている言葉なのかを明確にしたことです。脳が云々というのは、140字では話がややこしくなるので割愛しましたが、「脳からの自己催眠」というキャッチーな語を中心に据えたいのなら、次のような解釈もアリなのかもしれません。ただし、「脳からの自己催眠」というのはちょっと変な日本語なので、少しだけアレンジを加えてみます。
金銭欲という自然な感情を否定する人が案外多い。彼らは口を揃えて『儲けすぎるのは悪だ!』と、稼いでいる人を批判する。でも、彼らって無欲な人たちってわけでもない。稼げない自分を正当化するために脳が発する催眠術にかかってるだけの、かわいそうな人たちだよ。
この違いは、無欲だという人が「意識的に無欲を装っている(自己催眠というか自己暗示)」のか「ガチで自己催眠にかかっている」のかですが、キック氏の意図はおそらく後者のほうにあるんじゃないでしょうかね。だって、キック氏って性格悪そうだしィ〜。
と、最後で盛大にブーメランをぶん投げて、今宵の言葉遊びはここまでにいたしとうございます〜。
※誤字・脱字、および文章の乱れが多々あると思いますので、ひとまずは公開いたしますが適宜、校正作業を行います。発売前の「プロトタイプ」ぐらいの感覚でお読みいただけますと幸いです(今ごろ言うな!)。
※2019年2月20日 AM0:50 改訂第二版
※2019年2月20日 AM2:00 改訂第三版
※2019年2月20日 PM6:00 改訂第四版