先日、箱根は強羅温泉に行ってきた大塚です。別に温泉旅館で界隈☓アンチの対談をしようとか、そういう物騒なアレではございません。単に人生を楽しむべく、たまの贅沢をしたいと思っていただけ。
しかし、当初から強羅を目指していたわけではなく、本来は熱海に行く心づもりでおりました。数ヵ月前からお目当ての温泉リゾートホテルを予約して、万事抜かり無く…のつもりが、その後に予約したゴールデンウィークの旅行をキャンセルしたどさくさで、3月の熱海旅行の予約までキャンセルしてしまい…。
その事実が発覚したのが旅の3日前。慌ててまだ予約の取れる温泉宿を探した結果、「強羅花壇」しか選択肢が残っていなかったという、恐怖のエンディングを迎えたわけだったのです。
さて、箱根旅行と言ってすぐに思い浮かぶのは、「小田急のロマンスカー」ではないでしょうか。「ロマンスカー」とは、なかなか小洒落た響きですよね。しかし、私はロマンスカーにありがち(?)な、浮かれた乗客が大嫌いなのです。よって、落ち着いたビジネスマンの率が高いと思しき新幹線で小田原駅を目指すことにしました。
私の想像通り、新幹線は落ち着いたビジネスマンで一杯。一杯すぎて普通車が満席になるほどで、その結果として私は「品川ー小田原間」ごときにグリーン料金を支払う羽目となったのでありました…。
とはいえ、小田原駅で乗り換えたロマンスカーは、「小田原ー箱根湯本間」ですら耐え難いほどの喧騒っぷり。途中、車内を走り回る子供に耐えかねて「死にてぇのか、クソガキ!」というニュアンスの視線を何度送ったことか(ま、効果はサッパリでしたがね)。精神的ゆとりを金で買った私の選択は、まあ間違ってはいなかったでしょう(と信じたい!)。
箱根湯本駅からは箱根登山鉄道に乗り換えて最終目的地の強羅を目指します。こんなクソ面倒臭い移動を強いられるにもかかわらず、強羅行きの登山電車は通勤ラッシュ並みの満員状態。当然、席には座れませんでした。眼の前には、なぜか男同士で旅行中の地味な二人組の姿。あ、そうか。箱根って、オタク方面の聖地でもあったっけ…。
いつもの通勤時であれば少々の満員状態ぐらい、「給料のためにエ〜ンヤコリャ♪」てな具合で我慢もできるのですが、行楽時には「なんで高い金払ってまでして、こんな田舎で満員の電車に乗んなきゃアカンのじゃ!」とボヤキの一つも出るというもの。
イケハヤさんが言うところの「消耗」を重ねましたが、まあなんとか無事に強羅駅に到着しました。まだ宿のチェックインには時間があるので、彫刻の森美術館なんぞに足を運んでみることにします。登山電車に乗ってきた道をそのまま引き返しつつ、「彫刻の森美術館駅」で下車しなかった自分を軽く責めてみたり。
幸い天候には恵まれたので、絶好の「彫刻の森美術館日和」でしたが、なにせ彫刻がデカすぎてスマホのカメラではあまり上手に撮れません。写真を撮ることを諦めた私は、巨匠たちによる作品群を目に焼き付ける戦術に切り替えました。
ちなみに、私の実家の裏手にある某公園も屋外の彫刻作品群で有名な、地元ではちょっとは名の知れたスポットなのですが、彫刻は彫刻でも現代彫刻のほうなので、なんだかトランスフォーマーの成れの果て感が半端ありません(下の画像)。
美術館の敷地を奥に進むと、嬉しいことにカフェでハイネケンを売っていました。思いがけない出会いに、昼間からビール気分にしまうのも当然といえば当然。空きっ腹にビールを流し込んで、ほろ酔い加減でカフェを後にしようと思ったのですが、カフェの2階が企画展コーナーになっていたので酔って…いや寄ってみることに。
すると、酔っぱらいの前にジャコメッティやモディリアーニの彫刻作品が、文字通りむき出しで展示されるという、非常に危険な空間が広がっていました。お目付け役として学芸員のお姉さんもいるにはいるのですが、虚空を見つめたままで実にやる気を感じさせない佇まいです(※個人の感想です)。
さらに展示室の奥のほうでは、彫刻の価値を1mmも理解できていない子供が、作品そっちのけで走り回っているではないですか。「坊や、そこで転んで彫刻にぶつかったら、キミのパパは一生、彫刻の森美術館の奴隷になるんだよ」というニュアンスを含んだ眼差しを送りますが、ただの変な酔っ払いに思われただけでした。
(つづく〜とは思えない)