■オブザトップイヤー
オブザトップイヤーは、日本のロック・バンド。通称「オブトプ」。自由だが再現性がなく、また一切の批判を寄せ付けないその音楽スタイルは、時として「ブロックンロール(Block'n Roll)」という造語で表現される。
■概要
グループのリーダーであるハヤトが、2010年に結成したバンド「イケハヤランド」がその前身。幾度にもわたりメンバーチェンジや解散・再結成を繰り返したのち、2020年頃には、いわゆる「界隈」の大物が結集したスーパー・バンドとなった。
デビューアルバム『オブザトップイヤー』は、発表と同時に凄まじい勢いでヒットチャートを駆け上がり、熱狂のあまり多くのファンが人生を棒に振ってしまうという社会現象まで巻き起こした。
▲リーダーのハヤト(ソロ時代)。
■来歴
ルネサス 〜 イケハヤランド時代
2010年、当時人気のテクノバンド「ルネサス」を音楽性の違いから脱退し、高知県を中心にソロ活動を続けていたハヤト(b / vo)が、シングル「まだ東京で消耗してるの?」のヒットで得た資金でインディペンデント・レーベル「Garten(ガルテン)Records」を設立。そこに集まった若手ミュージシャンのキック(g)、ダイチ(ds)、ブルゾン(key)の4名で、前身となるバンド「イケハヤランド」が結成される。
▲イケハヤランドのデビューアルバム「イケハヤランド」。
結成当初は、一部のコアなファンたちによって支持される程度の存在だったイケハヤランドだが、2017年に発表のアルバム『ブロックチェーン』が大ヒット。世間の常識や古い価値観を打ち壊すような、自由気ままな演奏とちょっと不自由な日本語の歌詞で、一躍時代の寵児と持てはやされた。
▲アルバム『ブロックチェーン』のジャケットは新進気鋭の画家・ミヤハヤの筆によるもの。
しかし、Garten Records所有のスタジオで、光ケーブルがモモンガに齧られるという事故が発生。ブレイク中にもかかわらず、バンドは活動の停滞を余儀なくされ、代表であるハヤトの放漫経営も重なり、メンバーに十分な報酬を払えなくなってしまった。
そのため、業を煮やしたキックはGarten Recordsとの契約を打ち切って、自主レーベルの「ファミリーカンパニー」より『主夫リーランス』というシングルをリリース。以後はソロ活動に専念するようになる。
残された二人も、ダイチが鹿の頭蓋骨を崇拝する悪魔宗教に染まったのち、改造した軽トラにブルゾンを強引に載せ、全国の聖地巡礼に出てしまうなどし、バンドはあっけなく空中分解してしまった。
▲ダイチによる鹿の頭蓋骨に着色したオブジェ。
たった一人、Garten Recordsに残されたハヤトは、2018年にイケハヤランドの解散を正式に発表、元「エムアンドエー」の圭(ds)、元「me too」のはあちゅう(g)と「脱社畜サロン」を結成する。ハヤトと圭が人気マンガ『ドラゴンボール』のキャラに扮したプロモーションビデオが注目を集め、結成記念ライブのチケット3000枚は瞬く間にソールドアウトとなる。
▲脱社畜サロン、幻のデビューアルバム『桃園の誓い』。
ところが好事魔多しとはよく言ったもので、ライバルバンド「エデン」のリーダーえらてんから、圭のエムアンドエー時代のスキャンダル疑惑が指摘されてしまう。リーダーのハヤトは徹底して圭を擁護するも、肝心の圭の釈明があまりにも曖昧だったために、熱心だったファンも一斉に離れていってしまった。
▲エデンのリーダー、えらてんはその後も立花孝志など著名人に容赦ない口撃を続けた。
この騒動見た界隈の大物で、「ブランドジン・レコード」の取締役でもあるタバ・Tは、ハヤトに謝罪会見を開いて事態を収束するように勧めるが、ハヤトはこの忠告を無視。それどころか「タバ・Tはロックじゃない!」と吐き捨ててしまい両者は絶縁に。バンドも界隈内の後ろ盾を完全に失ってしまうことになる。
正田さんの立ち振舞いの何百倍も、田端氏のサラリーマン根性は害悪なんですよ。多分、本人たちはそれを正義だと思ってるから、まぁ分かりあえません。一言で言えばロックではない。
— イケハヤ@YouTube登録17万人 (@IHayato) September 3, 2019
その後、悪いイメージを払拭するために「スキルシェアサロン」とバンド名を変えるも世間の批判は止まず、活動の再開は困難だと判断したハヤトはバンドの解散を決意。それどころか、セミリタイア宣言をして表舞台から姿を消してしまった。
YouTubeからの再起〜シェアリング・カモノミー時代
セミリタイア宣言後は、ほぼ一日中スマブラ三昧だったハヤトだったが、大手レーベルの「ピース・オブ・ケイクス」と電撃契約を結び復帰。ソロ名義で発表したシングル『#動画撮れ』で復活の狼煙をあげる。しかし、曲の中に過去の「ブログ崇拝」を全否定するような歌詞があり、一部の古参ファンの反感をかうことにもなる。
再起直後にもかかわらず、窮地に追い込まれる形となったハヤトだが、以前から抱いていたスーパーバンド構想を実現に移すことを決意。元「アムウェイ」のりゅうけん(ds)、元「S.E.O.」のマナブ(g)、元「アコム」のしゅうへいの3名と電撃合体し「シェアリング・カモノミー」を結成した。
オブザトップイヤーの結成
シェアリング・カモノミー結成当初は4名で活動を続けていたが、ビジュアル面と若さに物足りなさを感じていたハヤトは、CJ社長率いる「ノビシロ・レコード」所属の注目の新人で、当時まだ中学生だったキメラゴンをスカウト。キメラゴンを交えた5名で本格的なレコーディングを開始すると同時に、バンド名を「オブザトップイヤー」と改名した。
▲CJ社長が発掘したキメラゴンには、早くも「令和のカリスマ」の呼び声も。
ところが、ハヤトやキメラゴンによるファンへの煽りが過激すぎるとのことで、「ピース・オブ・ケイクス」から契約を一方的に破棄されると、予定されていた初の東京でのステージも、新型コロナウイルスによる外出禁止要請で直前キャンセルの憂き目に。リーダーであるハヤトの疫病神っぷりに、キメラゴンの母親でステージママとしても悪名高きママラゴンから不満の声があがるなど、早くも今後の活動が危ぶまれている。
アルバム『オブザトップイヤー』(2020/ピース・オブ・ケイクス)
1.オブザトップイヤー
2.シェアリング・カモノミー
3.キメラストーム
4.ブリング・ザ・ダイギンジョウ
5.デュエル・アット・オオクボパーク
6.マイ・ファースト・アコム
7.ブレイン
8.ブログ・イズ・オーヴァー
9.シュート・ザ・ヴィデオ
10.オワコン