ダイソーに行ってきた。
ダイソーの店内をぶらぶらしていると不思議と心がざわつく。
ありとあらゆる商品が並べられていて、猥雑感がある。
店内にかかっているBGMはきっと有線だし、ドッキリカッターが本物っぽいのもなんかいい。
アイデア商品を手にしたものなら最後、「この店と生きてゆきたい」などと思い始める始末。
リラックスして、気づくと笑みがこぼれてくる。
便利で100円の値札がついた商品は人を包み込んで癒やすような力を持つのかもしれない。
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家に帰ってきてからは部屋の掃除をした。
ダイソーに行ってからだと「モノのあるべき位置」がはっきりとわかる気がする。
こんなとこやあんなとこに置くことが空間にとっては失敗だったんだ、と独りよがりな思い込みによって部屋が整理されていく。
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夕食は近所の明治屋でカレーの材料を買って、以前ダイソーで購入したカレー粉とあわせて食べた。
100均のカレー粉を使うとカレーのルゥを使って作るよりも圧倒的に安く完成するし、一味違うスリリングなカレーになる。
青森にんにく・イベリコ豚ロース・淡路たまねぎ・高麗にんじん・ロマネスク・まつやけをフライパンで炒めてからカレー粉をまぶし、最後に豆苗を入れる。
前日に作った野菜スープと一緒に食べた。
100均で買った炊飯マグで米を炊いたのでその機能性も楽しみながら、大げさに言えば「100の喜び」みたいなものを噛みしめながら食べた。
丁寧に暮らすことがどれほど自分の人生にとって大切なことか、忘れがちな自分にダイソーは思い出させてくれる。
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ふと最近は「情報」が100均のようにあるべきだと感じることがある。
情報にも質があって、なんでも摂取すれば良いというものではないし、摂り過ぎも摂らな過ぎも毒になる。
「情報血糖値」を急に上げる情報、ゆるやかに変化させる情報などというのがありそうだ。
多大なる満腹感は感じられなくても、長期的に見て人生の質を高めてくれるような安価で便利な情報を摂取していきたい。
インターネットで調べれば検索キーワードに引っかかる記事が無数に出てくる。それは目的によっては有用だが、値札がないのでどれだけの価値があるのかわからない記事も多い。
インターネットもいいけど、それ以上にダイソーに行く生活をしていきたいと思う。
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明日から仕事に行くのがだるくはない。
平日はあっという間に過ぎていく。
雀荘でマージャンを打ちながら煙草を飲んだり、ガラス越しに女性とたわむれたり(指を追わせたりせずにただじっと見つめる)、舞台の上をぼんやり眺める時間が好きだし、大切にしていきたい。
虚弱体質の心持ちで生きていければいい。
明日に向けて安らかな気持ちでの夜更かしをもくろむ大塚芸人であった。