警察に通報とか色々言ってましたが、東京の方ですか?

タイトルに深い意味はありません、コロコロ変わるはずでしたが、もはやずっとこのまんまかも。

一部空想だが限りなく事実に近い私の日常は斯くの如く緊迫に満ち溢れ……

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 実はサラリーマンの大塚です。このところ金曜日は、毎週のように商談で土呂駅に向かうのが常である。土呂駅と言っても、よほどの乗り鉄でなければピンと来ないと思うが、宇都宮線の大宮駅の一つ先にある、実に地味な駅である(disってるわけではないので、地元民は反発しないように)。

 土呂駅についてこれ以上語ることは、今回のエントリの本質ではないので割愛したい。では、何が言いたいのかと言うと、毎週金曜日は土呂駅前での商談の帰り道、乗り換え駅の池袋でプチ贅沢な昼食を食べているぞ、という話。

 しかしながら私は、一人で外食するのが滅法苦手な人間でもある。人気の行列店とか、路地裏の渋い定食屋などには怖くて入れず、もっぱら東武百貨店のレストラン街でお茶を濁しているのだ。とはいえ「デパートのレストラン街かよ」などと侮ってはいけない。デパートのレストラン街なら、一人客も多いのでシャイな私にも安心なのだ。それだけではない。店の数も半端なく多いので、肉だの魚だの蕎麦だのパスタだのと、選ぶのに困るほどだ。そこも気まぐれな私にとっては実にありがたい。

 そんな嬉しいことだらけの金曜ランチタイムだが、一つだけ注意しなければならないことがある。それは、金曜のランチタイム時には、いつものブリーフケース以外にキラリと光る「アタッシュケース」を携えているということだ。アタッシュケースのアタッシュとは、大使館職員を意味する「アタッシェ」が転じたもの。そんなわけだから、アタッシュケースに貴重な品が入っているということについては、論を俟たない。私が携えるアタッシュケースにも、平均してウン十万円相当に値する契約書が入っている。業界の都市伝説である「紛失したら10倍返し」の掟に当てはめるとウン百万円相当となるから、これは穏やかな話ではない。

 それほど物騒なモノを持ってるのなら、暢気に外食なんかしてないで、真っ直ぐ会社に戻るのが世の常道というものだろう。しかし、月曜から木曜は会社近くの富士そば一辺倒で飢えをしのいでいる多忙な私としては、この金曜のランチは契約書に勝るとも劣らない貴重な一時でもある。私の中のリトル・オオツカが囁くのだ、「大丈夫、お前ほどのエリートビジネスパーソンが、契約書なんか忘れるわけがないだろ?」と。そして、気付けば今週も金曜日の午後、私は東武デパート13階にある「宮川本廛」の特上鰻重に舌鼓をうっていた。しかも単品の白焼きまで追加する余裕っぷりで……。

 ちなみに今回は通常の契約書だけでなく、いつもより高額な取り引きの契約書も入っていた。そういえば、書類を受け取った際に「今週は、いつもより責任重大ですね、アハハハ!」と珍しく軽口を叩いていたような記憶も。食事を終え、会計を済ませ、ブリーフケースを片手に颯爽と店を出ようとする私を「お客さん、忘れ物です!」と呼び止めてくれた店員さん、本当にありがとうございました。