どうも、twitter内の口うるさい姑こと、大塚でございます。本日も良いネタが入ったんで、はま寿司コラさん(@nazoaka_com)に内緒で握ってみたいと思います。
わたしは、一人称として「わたし」を好みます。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) August 19, 2019
話し言葉でも「わたし」で、「僕」とか「オレ」は使いません。
なぜなら「僕」とか「オレ」には、その一人称に当てはまる「キャラ像」が勝手についてくるからです。
「わたし」にもあるかもしれませんが、一番「無機質」な感じがするので好き。
ネタの産地は、ご覧の通りカナダ。いや、日本のカナダこと香川県(嘘)でした。まあ、つまりはヨスさんネタってことですよ、ハイ。
ヨスさんは「日本とタバコと居酒屋が大嫌いなフェミニスト」というのが私の認識なのですが(加えるならオッサン嫌いという大ブーメランも?)、今回は日本disの延長として日本語に難癖をつけようとしてらっしゃるのでしょうか?
元ツイで言いたいことは、「自分のことを指す言葉は『わたし』しか使いません。『僕』や『オレ』だと、使うだけで自分の印象がある程度決まってしまうからです」ということなのでしょう。まあ、言いたいことは分かりますし、特に異論もございません。
ツイート全般を眺めると、とある点で違和感を覚えますが、そこは軽くスルーして次のツイートを読んでみます。
日本語の一人称は他言語と比べて豊富です。でも、それぞれにすでに「キャラクター像」がある程度決まってるのが嫌いですね。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) August 19, 2019
海外の人が話しているときに出る字幕で勝手に「オレ」とか「僕」って、その人の雰囲気で入れられてるのを見るとマジで幻滅します。
日本語は一人称代名詞の種類が豊富だけれども、それぞれに決まったイメージがあるのが気に入らないという趣旨の発言でしょうか。
ヨスさんの言ってることが、よくわからないという人は、私が考えた次の「一人称代名詞とそのイメージ一覧」をご参照ください。
- オレ … やんちゃな人、粗暴な人
- 僕 … 少年、子供っぽい大人
- わし … 田舎の人、老人
- 自分 … 堅苦しい人、軍人
- オイラ … お調子もの、愉快な人
- 某 … 時代劇マニア、変わり者
なんとなくおわかりいただけたのでは? ちなみに私は、一人称代名詞はTPOに合わせて「私」「僕」「オレ」を使い分ける派です。
もちろん、ヨスさんのように「私」しか使わないという人がいてもいいし、私のようにいろんな一人称代名詞を使い分ける人がいても構わないでしょう。ただ、「種類が多いけど、それぞれにイメージが決まっているのが嫌い」という主張は、少し矛盾というか理屈としておかしいと思うのです。
なぜなら、存在するすべての一人称代名詞が等しく同じニュアンス、イメージであるのなら、種類が豊富である意味がないからです。
例えば、メニューは豊富だけれども、いざ注文してみると、どれも同じモノだったというラーメン屋を想像してください。ヨスさんの言ってることがイチャモン以外の何物でもないことがご理解いただけるかと。日本憎しで日本語に噛み付くのもいいんですけど、もう少し頭を使っていただきたい……。
これと同じで、高齢の女性を見ると「お母さん」と呼びかけるテレビ番組のレポーターにもげんなりします。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) August 19, 2019
「お母さん」という言葉に当てはめられる像に勝手に当てはめて使ってるんでしょうね……。
この場合、その人に「子どもがいる」と決めつけてるという別の問題もありますが。
わたしの困惑をよそに、ヨスさん節はとどまることを知らず、どんどんと加速して行きます。今度は年配の女性を「お母さん」と呼ぶ風潮に噛み付いてきましたよ。「お母さん」で幻滅されてたら、「くそばああ」と呼びかける毒蝮三太夫さんなんかはどうなるんでしょうね…。
このようにヨスはさんは終始一貫して、「他人を見た目のイメージで勝手に印象づける行為」に警鐘を鳴らしています。しかし、ご自身も中年男性を一括に「おっさん」という呼称を用いて蔑んでいませんか? 残念ですけど、これも立派なブーメランだったのです…。
つまり、日本語は、「一人称」でも、「三人称」でも、どの表現でも「キャラ化」されてるんですよね。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) August 19, 2019
ちなみに、日本語の「二人称」は相手を下に見てたり、罵倒するとき以外は使えないという面白い特性を持ってます。
「なんか私、今すごく気の利いたことツイートしてる〜」と、思っていたかどうかは知る由もありませんが、ヨスさんは珍しくこの日は饒舌です。今度は日本語の二人称代名詞について噛み付いてきましたよ。
二人称代名詞 で代表的なのは、「あなた」や「おまえ」といったところですかね? 「あなた」は確かに目上の人には使いづらいかも知れませんが、それほど失礼な言い方だとは思えません。ヨスさんは「おまえ」という呼び方がお嫌いのようなので、多分にその印象に引っ張られてるのかなぁ〜。
するとここで、私がずっとひっかかっていた箇所にツッコミを入れる賢者が現れました。
二人称が使えないと目の前の人とどう話せばいいのでしょう?!
— 日サロン🐒お金作りのプロ🐒 (@tommy_7_7) August 19, 2019
そう、二人称とは目の前にいる会話の相手を指す言葉です。その二人称をヨスさんは「見下したり、罵倒するとい以外には使えない」と斬って捨てているわけです。ところがさすがはヨスさんです、瞬時にこう返してきました。
日本語では「三人称」が使われてるはずです。
— ヨス 🇨🇦カナダ移住計画 (@yossense) August 19, 2019
相手の名前、ニックネーム、属性(社長とか)を二人称の代わりに使います。
この瞬間、私の中でずっとモヤモヤしていた違和感が確信に変わりました。ヨスさんってば、さっきからずっと「人称」と「人称代名詞」を混同してませんか?
念のため説明しておきますが、「人称」とはそもそもこういう意味です。
そして「人称代名詞」とはこういう意味を持ちます。
にんしょうだいめいし【人称代名詞】
一人称,二人称,三人称の代示として用いられる名詞。英語では順に,I,you,he/sheなど。名詞と同じく,言語によっては単・複の数や格による変化を行う。日本語の人称代名詞には,〈おまえ〉〈君〉〈あなた〉のように,名詞や指示代名詞に起源をもつものが多い。→人称
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディア
つまり、どういうことかと言えば、「相手の名前」、「ニックネーム」、「肩書(社長とか)」は、それだけで三人称とは言えません。例えばヨスさんが私の目の前にいて、私がヨスさんに直接話しかける場合の「ヨスさん」とは、あくまで二人称であり、三人称ではないのです。この記事中における「ヨスさん」の使われ方が、三人称としての「ヨスさん」なのです(そもそも、「相手の名前」、「ニックネーム」、「肩書(社長とか)は代名詞ですらありませんが……)。
一人称代名詞の種類が豊富であることや、二人称代名詞にはカジュアルものが多いという点に着目したことは、いかにアンチ界隈の私でも「確かにそうだよね〜」と思います。だからといってご自身の日本dis路線に話題を無理やりにはめ込もうとした結果、間違った知識を展開するのはよろしくありません。それって、洋画の吹き替えで「僕」や「オレ」といった一人称代名詞を役者のイメージで勝手に使うこと以上に、「幻滅するわー!」ってなもんでしょうが。