警察に通報とか色々言ってましたが、東京の方ですか?

タイトルに深い意味はありません、コロコロ変わるはずでしたが、もはやずっとこのまんまかも。

覇道をゆくキミに、王道をゆくサラリーマンから愛を込めて

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これでキミもチェックメイト。今宵のワインはさぞ美味かろう」…ということで、毎度おなじみの添削サラリーマンこと大塚でございます。

 いや〜、それにしてもブログの記事を更新するなんて、いつ以来のことだろう? 思わず過去を振り返ってみたくなる気もしますが、そもそも私ってばアンチブロガーの立ち位置でtwitterを始めたんですよね。だから、イケハヤさんがいくら口を酸っぱくして「ブログ書け」って言ったって、書きたくなきゃ書かなくていいんですよ、ハイ。

 で、そんな私がどうして埃にまみれたパソコンのキーボードを叩きたくなったのか。それはつまり「とびきり極上のネタ」が入荷したからに他なりません。しかも鮮度バツグンのピチピチしたヤツがね。

 その極上ネタとは、お察しのとおり「月収6桁中学生」ことキメラゴンくん。中学生にしてネットで月10万円単位の収入を得ているという彼は、Yahoo!ニュースでも取り上げられたこともあり、ここ数日で認知度がグッと上がってきております(はま寿司さんがバズれないのは、こういう旬のネタを握り損なうからだっての)。

headlines.yahoo.co.jp

 この記事のコメント欄でもわかるように、彼に対しては、批判的なスタンスを取る大人ですら、能力自体には肯定的だったりします。「中学生なのにしっかりした考えを持っていてすごい」とか「自分の中学生の頃とくらべると行動力が段違いだ」とか「中学生で月25万円はすごい」とかってね。

 でも、生来のへそ曲がりである私は、そのような感想を持つには至りませんでした。だって、彼のやっていることは、単に自分が生まれたのがネット全盛の時代だったから、それを使って悪目立ちしてるってだけですからね。彼が内心見下しているであろうオッサン世代の連中だって、自分たちが中学生のころにSNSなるお便利ツールがあれば、デジタルタトゥーの一つや二つ残すぐらいは造作もないことでしょう。そこを無視して彼だけをことさらに持ち上げるってのは、ちょっとフェアじゃない。

 それに「好きなことで、生きていく」というフレーズは確かに聞こえは良いものだけど、実のところは「嫌いなことから、逃げて生きる」という消極的なモチベーションであることがほとんどなんですよね。記事を読む限りでは、やはり彼も「学校に行きたくない」、「就職したくない」ということが行動の発端であり、だからこそ彼の行動に美学や哲学みたいなものを感じないのかなあ、と意地悪く思ってみたりも。

 そもそも、彼が稼いでるビジネスの内訳ってのは、肝心のブログはサッパリで、twitterのコンサルという謎ビジネスが主体なワケじゃないですか。なんて言うか、この手の「金儲けの手段を売って金を儲ける」的なビジネスって、自分が儲かる以外の何の価値も生み出さない、文字通りの虚業という気しかしませんわな。であれば、ビジネスの構造自体はツッコミどころ満載だけれども、世間に対して明確な価値を提供をしたいという姿勢がある、「second Go」の立ち上げに奔走してる高校生たちのほうが、よっぽど立派(というか比較するのも失礼なレベル)。

secondgo.jp

 まあ、こんなことを言うと「お前は、たかが中学生にそこまで求めるのか?」などと言われるかも知れません。けどね、正面切って大人にケンカ売った(少なくとも私はそう解釈している)時点で、もう中学生もクソもないと思うんですよ。それに彼だってきっと、子供扱いしていろいろと大目に見てほしいとなど思ってもいないはず。だから「それはちょっと違うんじゃね?」と思えば、相手が中学生でもフルボッコ(あくまで論理的にですが)にする、それが大人の流儀ってヤツでしょう。

 あと、私が決定的に彼のことを好きになれないな〜と思ったのが、いとう社長なる人物のこのツイートに反応してしまったトコロ。

 フォロワーが1万人を突破したので最新のiPhoneをプレゼントする、というのは良いのですが、応募には「おれ(いとう社長)のアンチへのメッセージをリプ」が必須という非常に悪趣味な企画です。もう2年以上twitterやってますけど、こんな下衆なプレゼント企画は見たことがありません。

 興味本位でリプ欄をのぞくと、物欲に負けた人間の醜い言葉が数多綴られており、さしずめ「蜘蛛の糸」のお釈迦さまの気分が味わえたとでも言いましょうか。いやね、私もtwitterで散々っぱら他人の批判をしてますけど、それはあくまで自分の考えを主張するためであって、モノや金のために他人を批判したことなんて一度もないですよ(あと、あくまで批判であって誹謗中傷の類とは異なるモノですから)。

 で、キメラゴンくんがどんな反応をしたかっていうと、コレ。

 もうなんか、ガチで当選狙いに来てるとしか思えない力の入りっぷりにドン引きです…。彼も見ず知らずの他人から叩かれて傷ついたんだったら、物欲のために同じことをするのは間違っているってことに気づくべきでしょ。いや、百歩譲ってアンチに唾吐くにしたってよ、それは自らの矜持を保つためにするべきであって、決してiPhone11Proのためになんかじゃない。

 繰り返しになるけれど、残念ながら彼の「行動」って現時点ではまだイケハヤ界隈が使い倒した炎上商法のコピー止まりなんですよね。それを辞めリーマンや新卒フリーランスではなく、現役の中学生がやってるというのが物珍しいだけ。厳しく言っちゃえば、今の彼のプレゼンスなんて、その程度の付加価値しかないんです。であれば、まだ、中学時代に自分の手で文化祭を成功させたっていう実績を持ってる分だけ、たかーぎのほうが断然マトモですよ(いやまあ、彼にも探せば他人に誇れる成功体験の一つや二つはあると思うけど)。

note.com

 しかし、そんな私のひねくれた思いとは裏腹に、キメラゴン旋風はとどまることを知りません。まあ、そのこと自体は別段悪いこっちゃないと思うのですが、金の臭いを嗅ぎつけたシェアリングカモノミー界隈が、彼に秋波を送るどころか、早くも陣営に取り込んでいる様子を見ると、イケハヤ尊師に持ち上げられた勢いで学校を辞めたものの、すぐにブログの更新が途絶えて消息を絶った某女子大生に姿が重なって見えたり…。界隈の連中は、むやみやたらと人の背中は押すけど、転んだときには手を差し伸べてはくれんからね。

 でもまあ、発信の内容や金儲けの手口はともかく、誰とどう付き合うかなんてのは、彼自身が自由に決めるべきことであって、見ず知らずの他人がどうのこうの言う筋合いでもないでしょう。それにまあ「子供扱いはしない」とは言ったものの、彼もまだ中学生だから、カモられたとしても被害額は大きくないだろうし、界隈もカモるというよりはむしろ広告塔としてチヤホヤするかも知れないし…。今はきっと彼の心に届かない、いしかわさんの言葉の真意も、数年後にはちゃんと伝わると良いですね。

note.com

 ただし「まだ中学生」ってのは、アドバンデージであるのと同時に、ハンディキャップであることを忘れちゃいけませんよ。彼が大人になった頃の世の中は現状ではまったく予想がつきませんからね。5年先、10年先のネット社会は一体どんな進化を遂げているのか、YouTubeを筆頭とするネット広告は発展していく一方なのか、あえなく衰退していくのか、とかね。

 少なくとも、彼が今どっぷり浸かろうとするシェアリングカモノミーのやり口や界隈ビジネスが、彼が大人になった時点でもまだ有効だとはちょっと考えづらい…。界隈で経験を重ね、彼らの手口を身に着け、大人になったタイミングで「さあ、本格的に稼ぐぞ!」と思ったら、はしごを外された状態で時代に取り残されてた、なーんてことも、「まだ中学生」だからこそあり得るわけです。

 このバズに乗っかる形で就職する頃には「ネット企業から引く手あまたでしょ」という声もあったりしますが、ここでも「まだ中学生」というのがネックに。だって、就職の時期を迎えるまで、あと4〜5年はこの旬の状態を保ち続けながら、同時に年相応の成長もしなきゃならんワケですからね。それって結構なミッション・インポッシブルなんじゃないですか? (だって、もう「レールの上から降りた石田くん」とか「がんそん師匠」って言っても、今となっては「誰、それ?」状態じゃね? ←例えが悪いか)。だったらもう最終学歴が中卒でもいいから、今このタイミングでマトモなネット企業に拾われちゃえばいいのにとすら思ってしまいます。

 要するに「まだ中学生」とは、将来へ向けての助走開始がとんでもなく早いということ。向かう方向が正しくハマれば、期待以上に大きな成功を得られるけれど、実はアサッテの方向に走っている可能性だってある。間違った助走レーンで中学生のころから全力で加速してるならば、それはもう回り道どころか、人生というギャンブルでの負けが早々に確定するということと同義。ただ、現在の彼の向かっている方向が正しいのか正しくないかは、さすがに私も予測はつきません(そもそも、そんな予測をするほど無責任な人間でもねぇし…)。

 だからまあ、彼個人のことはちょっと置いといても、そういう意味では学校に通って仲間と一緒に勉強したり部活に励んだりっていうのって、正しい人生の助走レーンを見つけるためには大事な経験なんだろうなぁ、って。何もネットでイキり倒すという覇道だけじゃなくって、フツーに学生生活を満喫する王道っていう助走レーンも、もう一つ予備として持ってたっていいと思うんだよ…。

 あと、最後にこれだけは言っておかなければ。キメラゴンくん、たかーぎにはボコる代わりに1万円投げたにもかかわらず、君には一銭も投げなくてゴメンな。応援はしないけど、足を引っ張るつもりもないし、失敗を願ったりもしない。以後は安心して自分の信じる助走レーンを思い切り疾走してくれたまえ。

 

◆これでキミもチェックメイト。今宵のワインはさぞ美味かろう(大事なことなので2度言いました)。