珍しく三連投の大塚です。大船渡高校の国保監督よろしく、もっと選手としての自分を管理しなければと思ってはいるのですが、今日になって久しぶりの「純キック」が入荷したと聞いたもので、いてもたってもいられなくなりまして……。
ちなみに、純キックとは「純キック文学」の略とでも申しましょうか。キックさんのツイートの中でも、一番文学性が高くかつ難読のものを指します。それに対して、文意は読み取れるものの、一言多い系のツイートは「ライトキック」と分類されるのです(ここ、テストには一生出ないからな!)。
前置きが長くなりました、そろそろ本題に入りましょう(←これを何度も繰り返すのも、キック文学)。本日、入荷されたという純キックはこちらになります。
知人が石原さとみ(独自フィルター)とご飯食べて肩組んでる
— キック | 主夫リーランス (@kikumer) July 25, 2019
こういうとあれだけど、『一般的な好み』を持たない人にとっては異性もブルーオーシャンなわけで
そこら辺にモテない石原さとみ、ガッキー、本田翼、深キョンが転がってるみたいなものなので
そういう意味では一番の人生勝ち組だと思った
実はこれ、独立したツイートではなくて、K@熊専マーケターさんという方のツイートの引用RTなので、そこから紐解いていかなければならないんですよね。その、引用元のツイートがこちら(本来は無関係な方の画像など加工したいところなのですが、twitter上でも公開されてるので、そのまま引用してしまいます)。
『Twitter経由で知り合った沖縄産体育会系ノンケイケデブ大学生と焼肉に行く』という夢が本日叶いました。
— K@熊専マーケター (@kuma_500) July 25, 2019
「こんな肉食べたことないっす」とか言いながら、美味しそうにバクバク食べてる姿を見れて幸せ。まじで生きててよかった。
実は彼レベルになると、石原さとみクラスなんです
SNSの力は無限大 pic.twitter.com/GdboRt4b08
引用元のツイートも若干言葉足らずな気もしますが、「画像にある太めの男の子は決して万人受けするタイプじゃないかも知れないが、自分にとっては世間における石原さとみ級の存在なのだ」と解釈はできますね。お節介ですが、ついでに添削しちゃいましょう。
『Twitter経由で知り合った沖縄産体育会系ノンケイケデブ大学生と焼肉に行く』という夢が本日叶いました。
「こんな肉食べたことないっす」とか言いながら、美味しそうにバクバク食べてる姿を見れて幸せ。まじで生きててよかった。
僕にとってのは彼は、世間にとっての石原さとみなんです。
あ、問題だったのは、なんか最後の一行だけでしたね(笑)。
前置きが長くなりました、そろそろ本題に入りましょう(←純キック)。肝心のキックさんのツイートは、どこが問題なのでしょうか? やはり、引用元の最後の1行に引っ張られて、沖縄産体育会系ノンケイケデブ大学生(長いな!)と石原さとみの関係性が上手く語られてないように思えます。だから、冒頭からして大きくはずしてしまっているのでしょう。
知人が石原さとみ(独自フィルター)とご飯食べて肩組んでる
何の説明もなく「(独自フィルター)」と言われても読む側はさっぱりですよね。それこそお前が自分の文章に独自フィルターかけて意味不明してんじゃねーかよって…ま、そんな揚げ足取りはおいといて、ここでは独自フィルターという語を出来るだけ一般的な言い回しにしておきたいですね。あと、「ご飯食べて肩組んでる」ってなんだよって話。「ご飯を食べてる」か「肩組んでる」のどちらかにするか、「一緒にご飯を食べた上に肩まで組んでる」にするべきでしょう。
知人が彼の言うところの「石原さとみ級」と肩組んで写真撮ってる
ここでは、引用元の写真を見て上のように「肩組んで写真撮ってる」としておきました。そこで、次は「彼の言うところのって何だよ?」という説明に入るわけですね。
こういうとあれだけど、『一般的な好み』を持たない人にとっては異性もブルーオーシャンなわけで
「こういうとあれだけど」ってのは、こういうとあれだけど、蛇足でしかないですよね。ツイートを読み解く限り、引用元のツイ主さんはゲイの方のようなので、その事実を明確にするか、明確にしないにしても、もう少しわかりやすい表現にすべきだったでしょう。批判を恐れるがあまり、発言が不明瞭になるなんてインフルエンサー()らしくないです…。
また、同性愛者の人のツイートを読んで「異性もブルーオーシャン」って言うのは何か変ですよね? もちろん、キックさんが語りたい理論は同性愛者に限った話ではないのも理解できますが、逆に異性間の話に限った話でもありません。
いわゆる「世間とは違う好み」を持つ方にとって、恋愛対象はブルーオーシャンなのかも知れません。
この場合の主語はあくまでゲイ(同性愛者)の方です。ですから「一般的な好みを持たない人」という具合に、否定語を使って回りくどい表現はしないほうが良いと思います。それだけでも文章から受ける印象というものは大きく変わります。受け手によっては「一般的な好みを持たない人」という言葉を差別的なニュアンスで受け止めるかも知れませんよね?(もちろん「世間とは違う好み」という表現も万全ではないとは思います…)
また、自分とは異なる属性の方々のことを安易に決めつけるのもよろしくないと思いますので、文末は断定ではなく推測に留めておきます(まあ、なんでもかんでも無責任に断言するのもキック文学の真髄ではありますが…)。
ここでも若干の差別的なニュアンスが見て取れますね。「モテない」という表現がその原因です。「自分にとって価値がない」だけの存在を安易に斬って捨ててはいけません。いやだって、そもそもこのツイートはマイノリティの価値観の強みを語るのが趣旨なはずだったんじゃなかったっけ。
僕には見えない石原さとみ、ガッキー、本田翼、深キョンが、いたるところにいるようなものなので
まあ、この程度が穏当な表現なのではないでしょうか。
そういう意味では一番の人生勝ち組だと思った
最後の文は、ここまでの流れのせいでかなり嫌味っぽく聞こえますけれど、この文章自体にはさほど破綻はないように思えます。ということで、最終的に添削を合体させて微調整をするとこうなりました。
知人が彼の言うところの「石原さとみ級」と肩組んで写真撮ってる
彼みたく、いわゆる「世間とは違う好み」を持つ方にとって、恋愛の対象はブルーオーシャンなのかも知れません。
世間には見えない石原さとみ、ガッキー、本田翼、深キョンが、いたるところにいるようなものなのですからね。
そう考えたら、人生の勝ち組にしか思えなくなった…
他人と違うってのは、やっぱ武器だよなー。
ただ、これだと140字に収まりきらないので、ツイートの添削としては不完全。無駄を削りとって、なんとか140字に収めます。
知人が彼の言うところの「石原さとみ級」と肩組んでた
「世間とは違う好み」を持つ人の恋愛対象は、ブルーオーシャンなのかも。
世間には見えない石原さとみが大勢いるようなものなのですからね。
そう考えたら、勝ち組にしか思えなくなった…
他人と違うってのは、やっぱ武器だよなー。