どうも、バカンス帰りの大塚です。てか、そもそもバカンスって一体なんでしょう? 念のために調べてみたら「大辞林 第三版」によると、バカンスとは次の通り。
バカンス【vacances】
休暇。特に、夏・クリスマスなどの連続した休暇。バケーション。
休暇ですよ! バケーションですよ! カーセックスです…は違うか。いや、まあともかく、せっかくバカンス中にもかかわらずですよ、田中ボルシチさんったら私をこんな用件のために召喚しやがったんです。
大塚さーん!!
— 田中ボルシチ (@tanaka19951009) August 15, 2019
大塚さーん!!!
誰か、大塚さん連れてきてー!!!@rrhjrs https://t.co/tRu2yHi0zu
「連れてきて」って言っておきながら、思い切りメンション飛ばしてるやんけ! でも、用件をよく読んでみると、脱社畜サロンを内部崩壊させたいしかわさんが、自らのツイへのリプの解読に頭を悩ませているという内容。肉体派のボルシチさんならともかく、知性派のいしかわさんが読み解けないとは、ちょっとただ事じゃあなさそうですね。
ボルシチさんのメンションに気がついたのが、早朝に尿意で目覚めたタイミングでしたので、ホントはもう数時間ほったらかしにしたかったのですが、小用をすませた後に寝ぼけ頭で当該のリプを読んでみたところ、あまりのパワーで一気に覚醒してしまいました……。
解らぬでもないけど日本ではこれだけのお店に対する需要があるので、お客さんのせいには出来ません、かといって問題はそこにルールを持ち込まない立法だし政治だし、つまりそれは国民です、しいしかわさんも政治的な観点が必要かもしれませんよ
— 山浦 洋 (@b_latable) August 15, 2019
パッと見で、キックしてるのがわかりますよね? それも政治をキックするという新機軸。英語で言ったら「ポリティカル・キック」ですよ(って、言わねーよ)。ああイケナイ…、早朝だってのにキックごときでこんなにも取り乱してしまうとは。
と、そこで冷蔵庫に冷やしてあったウェルカム・ドリンク(要するに水)を取り出すと、よく冷えたそれをゴクリと喉に流し込んでクールダウン。当該のリプと向き合う前に、まずは発端となったいしかわさんのツイにあたることにしました。
飲食店に対して「原価が」と言う人はムカつくので、自分で野菜を育てて収穫して牛を交配して育てて屠殺して血抜きして捌いて冷蔵して輸送して調味料は素材から皿は土から箸は木の枝から作って自分で調理・配膳して自分で運んで食べたら自分で下げて自分で皿を洗って最後は家賃水道光熱費を払えばいい。
— いしかわ (@73_568) August 15, 2019
発言の真意がよくわからないのですが、いしかわさんはタピオカ屋でも始めたいのでしょうか? まあ、そこんトコはさておき、さすがは元・脱社畜サロン生ですね。文章の書き方に関しては一点の曇りもごさいません。丸めて言ってしまえば「飲食店の原価にうるさい貧乏連中は、原始時代に戻って自給自足の生活でもしとけやクソが!」というわけですね?(丸めた割には口調がぜんぜん丸くないのは私の性格の問題です)
では、次に問題のリプに目を通します。冒頭が「解らぬでもないけど」と始まるところから、リプの趣旨は「いしかわさんの論に対する反論」だということだけは判断できますね。ただ、そこから句点抜きで、往年の初代タイガーマスクばりに四次元殺法を繰り広げるものだから、読む人は例外なくスリーカウントを奪われてしまうのでしょう。
まあ、キック文学を読む際には、ツイートを分解して個別に解読していくのが常道かつ王道。今回もそのパターンで読み解いていくことにします。
・日本ではこれだけのお店に対する需要があるので、お客さんのせいには出来ません。
・かといって問題はそこにルールを持ち込まない立法だし政治だし
・つまりそれは国民です。
・いしかわさんも政治的な観点が必要かもしれませんよ
ゴメン、分解してもさっぱりわかんねー。だって、まず最初に「これだけの」ってのが何を指しているのかが見えてこないもの。
いしかわさんのツイを受けてのリプだから、まずは「これだけの」が指すものは、いしかわさんの元ツイにあると仮定してみます。そう考えると、作物の収穫、と畜、流通、作陶、調理、配膳、片付け、といった一連の作業を指しているようにも思えます。
ただ、これらの作業は飲食店に対する「需要」ではないので、この解釈ではしっくりしません。「需要」を誤用だと仮定して、「サポート」あるいは「作業」に置き換えてもみましたが、そうするといしかわさんへの反論という性質が薄れてしまう気がします。
いしかわさんの元ツイに指すものがないとすれば、「これだけの」というのは特に具体的な何かを指す言葉ではなく、「とても多い」という言葉として解釈すべきなのでしょう。
つまり「日本は飲食店に対する需要がすごく高い(=多くのお客さんに支えられている)ので、一概に(原価にうるさい)お客さんだけが悪いとは言えませんよ」と読んでみるというワケ。調べてみたらリプをされた方は料理人のようですので、それならばお客さんの側を大事にするスタンスにも納得がいきます。
次の「かといって問題はそこにルールを持ち込まない立法だし政治だし」は、原価にうるさいお客さんは悪くないという、前段に対する補足的な文章なのでしょう。「かといって」という接続語のチョイスの不味さで、読み手側の意識が捻じ曲げられてしまっていますが、「そうではなく」に置き換えて読むと良いでしょう。また、「問題は」を「悪いのは」と置き換えると、さらにすんなり読める気がします。「そうではなく、悪いのはそこにルールを持ち込まない立法だし政治だし」と書き直すと、言いたいことが浮き上がってきましたね。「ルール」というのは、後に立法、政治という語が続くので「法律」と解釈するのが妥当です。だから「ルールを持ち込む」とは「法を整備する」と同義と取れます。
次のパーツである「つまりそれは国民です」の「それ」は、前段の政治を指すと解釈できるので、「政治家も国民の一人です」という解釈をさらに深堀りし、「そういう政治を選挙で選んだ国民全体の責任ですよ」と解釈してみました。これは「それ」が指すのは「政治」だけではなく、「問題(=責任の所在)」も含んでいるとの判断に基づいています(そう解釈したほうが、この後のまとめと親和性が増すと思います)。
そのまとめである「いしかわさんも政治的な観点が必要かもしれませんよ」は、いしかわさんも感情だけでなく、政治的な目線で物事を判断したほうがいいかも知れませんね、というまあ皮肉って感じですかね? とはいえ、この意見のどこが政治的な観点に基づいているのかは、ここまで読み込んでも伝わってはこないワケですが…(だいたい、飲食店の原価率を法整備したら、日本中の飲食店が総チェーン店化してしまうじゃないの)。
では、ここでパーツごとに読み解いた文章を合体させてみましょう。
気持ちはわかりますが、多くのお客さんに飲食店が支えられてる実情に鑑みると、原価にうるさいお客さんが悪いとも思いません。飲食業界の原価設定に問題があるのなら、それを法で整備しようとしない政治の問題。つまり、そんな政治を選んだ国民全体の責任だと言えないでしょうか。いしかわさんも、もう少し政治的な観点で物事を見てはいかがでしょう?
これでは140字に収まらないので、無駄な箇所を削ってまとめるとーー
気持ちはわかるが、多くのお客さんに飲食業界が支えられてる実情に鑑みると、原価にうるさいお客さんが悪いとは思わない。業界の原価設定に問題があるなら、それを法で整備しない政治の問題。つまり、そんな政治を選んだ国民全体の責任。いしかわさんも、少し政治的な観点から物事を見てはいかが?
リプの主には、自らの文章を少し客観的に見ることをお勧めいたします…はふぅ〜。